全身に分布するコレステロールは、脳・神経系に約25%、筋肉に約25%、血液中に約10%、残りは皮膚や内臓に存在しています。コレステロールは体のそれぞれの場所で細胞膜を維持するという役割を持ち、筋肉を高めるホルモンや、性機能を高めるホルモンの材料になったり、食べ物の消化吸収を助ける消化液である胆汁の材料になるなど、体を維持するために重要な役割を担っています。このコレステロールを主に運ぶのがHDLとLDLです。HDLコレステロールとLDLコレステロールにはそれぞれ役割があります。
LDLコレステロールもHDLコレステロールもコレステロールを運ぶ役割を担っているのですが、それぞれLDLコレステロールは悪玉、HDLコレステロールは善玉、と呼ばれています。LDLコレステロールの役割はコレステロールを全身の細胞に運ぶという役割。運ぶだけなので、余分なコレステロールが血液中にたまりすぎると、動脈硬化などの原因となるのです。逆にHDLコレステロールの役割は、全身の細胞の中の余分なコレステロールを回収し肝臓に運ぶ役割を担っています。HDLコレステロールは体内に余分なコレステロールがたまらないようにしてくれる役割を果たしているのです。
では、HDLコレステロールはたくさんあっていいもので、LDLコレステロールは少なければいいのでしょうか?確かに、動脈硬化などの疾患を引き起こす原因をつくるのがLDLコレステロールともいえますが、体の中にコレステロールが運ばれなくなると、体は維持できません。コレステロールが少なすぎる状態を低コレステロール血症といいますが、LDLコレステロールが運搬の役割を果たさないと血管がもろくなり、赤血球が十分につくられなくなり、貧血になります。また、LDLコレステロールは神経系にも関わっているので、神経細胞の働きが低下したり、神経伝達物質が不足し、しびれなどの運動障害が起こります。HDLコレステロールの役割はとても大切ですが、LDLコレステロールの役割もなくてはならないものなのです。
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